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2018-05-22

【2018年5月】『お米の力』の巻き

「お米の力」の巻き

数年ほど前から「糖質制限」という言葉をよく耳にするようになり、主食であるお米やパンは控えて、 おかずを中心に食べる…という食スタイルを目にします。

「主食を抜けば、あとは好きなものを食べても良い」という手軽さと、「短期間ですぐに痩せた」という即効性が受け、 簡単ダイエット法としてブームになりました。
また「糖質を抜けば血糖値の上昇を防ぎ、糖尿病の予防・重症化対策に繋がる」という考えから、糖質制限をする人もいます。

しかし、本当にそうでしょうか?

食事摂取基準(厚生労働省2015年)では、糖質(炭水化物)のエネルギーに占める割合は約60%が望ましいと定めています。糖質を制限すると、代わりにエネルギー源としてたんぱく質や脂質の量を増やす必要があり、毎日大量の肉や魚等を食べないといけなくなります。これは経済的に余裕がないと続けられないのではないでしょうか?また大量の肉や魚中心の食事は、胃腸への負担もかかります。糖質を制限すると食物繊維の摂取も減るため※、腸内環境の悪化も否めません。「糖質制限を始めたら便秘になった」というのはよく聞く話です。さらに、たんぱく質や脂質の多量摂取による肝臓・血液、そして動脈硬化への影響も心配です。

そしてさらに怖いのは、糖質制限によるエネルギー不足です。ダイエットを始めてスルスルと体重が落ちた背景には筋肉や骨量の低下があり、体力の低下、骨粗鬆症、体内水分量も減るため、皮膚の乾燥・老化にも繋がります。

そもそも、偏った食事は身体へ負担をかけるということ。そして安易な糖質制限には危険が潜んでいるということ。これらを十分に理解された上で、ブームに流されない健康法を選択していきたいですね。

ちなみに、糖質を含む食品には極端に甘いもの(砂糖等)と、甘くないもの(お米等)があり、確かに甘いものを控えることは、健康管理に効果的だと分かっています。

そこで「甘いものがどうしてもやめられない!」という人は、逆に甘くない糖質である『お米』を食べる量を増やしてみましょう。すると、必要な糖質量が満たされて、驚くほど甘いものへの欲求が収まります。
さらに、お米は低脂質であり、ビタミン・ミネラル・食物繊維を含み、腸内環境も整えてくれる食材です。何より、40年前の日本では今の倍量のお米を食べていましたが、今より糖尿病も肥満も少なかったという事実があります。お米は紛れもない日本人のソウルフードで、制限するのはもったいない!!ぜひ、お米の健康パワーを見直し、バランスよく、美味しく、食事を楽しんでいきましょう♪

※炭水化物=糖質+食物繊維

管理栄養士トミーのアドバイス管理栄養士トミーのアドバイス

お米の健康パワーをさらにアップ!

①白米⇒雑穀ご飯、分づき米に
白米に雑穀を入れたり、分づき米にするだけで、ビタミン、ミネラル、食物繊維の量がアップ!

②しっかり噛んで食べよう!
しっかり噛むことで、だ液の分泌量が増え、消化吸収もアップ!
また、若返り、美肌、筋肉量アップ効果等も。
①のお米にすることで、食感が増えるため、自然と噛む回数もアップします。

「お米の力」おすすめレシピ

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